【雑草】スベリヒユを料理して食べてみた

【雑草】スベリヒユを料理して食べてみた

はじめに

夏の畑仕事は、雑草との闘いと言っても過言ではありませんでした。

ところで、無肥料自然栽培を行うにあたって参照している書籍「無肥料栽培を実現する本」(岡本よりたか 著/株式会社マガジンランド/2017年)によれば、雑草を活用する「草生栽培」を行う場合であっても、雑草という雑草を全て残すということはしないそうです。

雑草にも雑草にも抜くべき草と抜かない草があるようです。

概要は以下の通りです。

抜くべき草の一例

  • チガヤ 根が深く、水分を横取りする
  • ヤブカラシ 作物にからみ、光合成を阻害する
  • ササ 根が横に張り、アレロパシーで作物成長を阻害
  • ギシギシ 繁殖力が強く光合成を阻害する
  • クズ 作物にからみ、光合成を阻害する
  • セイタカアワダチソウ アレロパシーで作物成長を阻害
  • オオアレチノギク 太陽光をさえぎり、光合成を阻害する
  • アカザ 太陽光をさえぎり、光合成を阻害する
  • シロザ 太陽光をさえぎり、光合成を阻害する
  • ヒメクグ 地下茎で作物の根の成長を阻害する
  • ハマスゲ(コウブシ) 地下茎で作物の根の成長を阻害する

抜かない草の一例

  • ヨモギ 虫の被害を減らす
  • ハコベ 土壌を弱酸性にする
  • カラスノエンドウ
    • 土壌を弱酸性にする
    • アブラムシを引き受け、作物の被害を減らす
    • 他の雑草の生育を抑える
  • ホトケノザ
    • 作物の虫の被害を減らす
    • 地表面を覆い、微生物や作物の根を守る
  • スベリヒユ
    • 地表面を覆い、微生物や作物の根を守る

以上、ほんの一例を挙げただけでもかなり多くの種類の雑草がありました。

私自身は草生栽培をやっていないので、雑草は片っ端から処理しているのですが、上にあげた雑草のうち、ヨモギは言うに及ばず、ハコベやホトケノザも春の七草に数えられ、食用とされているという認識があります。

ふと「雑草もおいしく食べられるのではないか」という思いが頭をもたげました。

そこでまず、ハコベとホトケノザについてインターネットで検索してみると、春の七草にあるホトケノザとは「コオニタビラコ(小鬼田平子)」と呼ばれるキク科の草で、現在ホトケノザと呼ばれているシソ科の草とは別物とのこと。

ハコベについては、さっと茹でてお浸しや胡麻和えにすると意外と美味しいそう。

また、ふとしたきっかけで読んだ小説「海が見える家」(はらだみずき 著/小学館文庫/2017年)で、田舎暮らしへの憧れを募らせつつ、スベリヒユが食べられることを知りました。

そして、悪天候を言い訳に2週間ほど手入れをサボって雑草が増えてきた我が菜園を眺めてみると、首尾よくスベリヒユを発見することが出来ました。

スベリヒユについて

「おいしい雑草 摘み菜で楽しむ和食」(平谷けい子・赤間博斗 著/山と渓谷支社/2016年)によると、スベリヒユは畑や庭の邪魔者として嫌われていますが、昔から救荒植物のひとつであるとのこと。

ちなみに救荒植物とは、飢饉、戦争その他で食糧が不足した時に、それをしのぐために間に合わせに食料として利用される植物のことです。

山形では「非憂菜(ひゆな)」と呼び、夏の間に摘んで茹でて、茎だけを干しておいて、正月三が日に油揚げと炊いて食べるそうです。

また、沖縄では「念仏鉦(ニンプトゥカー)」と呼び、夏季不足する葉物野菜として食され、さらに漢方では解毒・血便などに用いられるとのこと。

実はとても素晴らしい食材であるようです。

スベリヒユのおひたし

調理方法についてはインターネットで検索しましたが、茹でてもアクが出ずとても扱いやすい食材のようです。

ここはシンプルにおひたしで味わってみようと思います。

まず、畑で採取したスベリヒユを水洗いします。

根を包丁で切り離します。

鍋に湯を沸かし、スベリヒユを茎が柔らかくなるまで茹でます。

流水で良く冷やし、食べやすい大きさに切ります。

皿に盛りつけて完成。

シャキシャキとした食感で、多少のぬめりがあります。

今回は醤油とマヨネーズでいただきました。どちらも美味しかったですが、個人的には醤油との相性のほうがいいように感じました。

(おわり)