【自家採種】2021年 ときわ地這キュウリの自家採種をやってみた
はじめに
戦前までは、ほぼ全ての農家さんが自分の作る野菜は自分で種を採っていたとのこと。
それは、自家採種を続けることによってその土地の風土に最適な野菜が出来るからというのが理由だそうです。
この考えにはなるほどとうなずけるので、私も今後自家採種を行っていきたいと思っています。
今週は、食べるには大きくなり過ぎてしまったキュウリが目に留まったので、種採り用の実にしようと考えつつ、収穫タイミングがよくわからなかったのでとりあえず収穫してしまいました。
後で、指南書として使用している「固定種野菜の種と育て方」(野口勲・関野幸生 著/創森社/2012年)を紐解くと、「種採り用の実は、つるの葉が全て枯れてから、または実が変色して柔らかくなったら収穫し、すぐに種を出します。あまり追熟させ過ぎると身の中で発芽することがあるので、そのぎりぎりを見極めることが、よく稔実した種を採るコツです。」とありました。
もう少し畑に残しておくのが正解でしたが、収穫してしまったものは仕方がないので、とりあえず種採りをやってみることに。
ときわ地這キュウリの種採りをやってみた
種採りの具体的な手順は、ジュンク堂書店池袋本店の農業関連書籍コーナーで販売されていた小冊子「無肥料自然栽培HandBook」(監修nico)を参照しました。
手順は以下の通りです。
- 母本となったキュウリを包丁で縦に切れ目を入れます
- 切れ目から実を開きます
- スプーンや指で種とゼリー状のものをかき出します
- ゼリー状のものと種を2日~3日ほどそのまま発酵させます
- ザルでこして、流水で洗い流した後、紙に広げます
- 風通しが良い、半日陰で1週間ほど干します
実際に種を採ってみたところ、購入品との比較でボディに厚みがないような気がします。
失敗しているような気がするので、再度、ぎりぎりまで熟した実を使って種採りに挑戦したいと思います。
固定種野菜の生育状況
ときわ地這キュウリ
「ときわ地這キュウリ」は明治時代に中国から入ってきた、全体が緑色で白いいぼのある華北系のキュウリです。
華北系のキュウリは、現在流通しているF1種のキュウリのルーツであり、見慣れた姿をしています。
皮が薄く輸送には不向きですが、味が濃く身がしまって歯ごたえもあり、生食が本当においしいキュウリです。
7月26日~8月1日は59本を収穫しました。通算では490本。
我が家のキュウリが終わりを迎えつつあります。
畑は有効活用したいと思っていますが、同じ畝で別の秋野菜を栽培しても良いものでしょうか?
ホワイトビューティトマト
「ホワイトビューティトマト」はクリーム色の滑らかな外皮が美しい品種です。食味の良い肉質で甘みと酸味も適度にあり美味とのこと。
急激に色が変わりました。ホワイトというよりはイエローです。想像していた姿とだいぶ違いますが、実を触ると少し柔らかくなっていたので収穫してみることに。
食べやすい大きさに切って食べてみました。酸味がきつい印象です。
これに甘みが加わっていれば、とても美味しいのだろうなと想像は出来ます。
家族には不評でしたが、来年再チャレンジしてみたいと思います。
埼玉青大丸なす
「埼玉青大丸なす」は明治時代に埼玉県に導入され栽培されてきた、きんちゃく型のナスです。アントシアニン系色素が無いので、果実は緑色です。
昔は奈良漬け用に経済栽培され、味噌汁や煮物用の食材と重宝されてきました。
スーパーで「埼玉青大丸なす」が1個150円ほどで販売されているのを見かけたので、購入して食べくらべしてみました。
手前味噌ながら、自分が栽培したものの方が身が引き締まって味が濃いと感じました。
真黒なす(しんくろなす)
「真黒なす」は埼玉県草加地方で発達した中長形のナスで、市場でよく見かけるF1種のナスの片親となっています。ナスのあのつややかな果皮の色、ナス紺はナスニンと呼ばれるアントシアニン系色素で、ポリフェノールの一種です。
「ときわ地這キュウリ」 に代わって、こちらがメインで採れはじめました。
今週の収穫分は24本。7月22日の初収穫から合計で31本収穫しています。
紅赤(サツマイモ)
紅赤は、1898年(明治31年)に埼玉県さいたま市浦和区(旧木崎村)の農家の山田いちさんが発見したサツマイモです。当時はとても甘いイモとして人気を博し、「サツマイモの女王」ともいえる存在でした。
程よい甘みと栗のような風味、ホクホクとした舌触りが特徴な紅赤は、油との相性が良く、天ぷらや栗きんとんなどの料理にするとより一層美味しく食べられます。
紅赤は変わりなく順調そうです。
(おわり)